259日目 : 教育系ワークショップに参加
今回は、6/10-11に参加したワークショップについて書き留めておきます。
隊員ではない人向けに…と、文章を練っていたら、だらだらと長くなってしまいました。
適宜とばしながら読み進めていただければと思います。
先に結論から先にお伝えすると、参加してよかった!!!
自身にとって刺激になり、勉強になり、リフレッシュにもなりました。
今回のワークショップのフラッグ (隊員がデザインしている、すごい)
教育系ワークショップについて
フラッグにあるとおり「教育系ワークショップツアー」と題し、今回は北部3州 計6会場を駆け回っている一連のツアー。主催はもちろん、我ら隊員です。
学校教育、特に小中学校での教育に関わる内容がメインで、対象科目は、理科・数学・情報(ICT)・美術・学校保健と多岐にわたります。そのため、隊員も職種の垣根を越えて集結します!ふだん関わることのない他職種隊員の活動を垣間見れたり、教員経験のある隊員が実施するプロの授業を見学できたりと、隊員にとっても良い刺激になります。
ガーナでは代々こういった形式の合同ワークショップが開催されていて、実は私が赴任してからも既に何度か開催されていたのですが… 念願かなって今回やっと参加できました。
ちなみに昨年末に開催された同形式のワークショップの様子は動画にまとめられていてYouTubeにあがっています。せっかくなので宣伝。ご興味あればどうぞ。(この隊次はみなさん本当にプロフェッショナル!)
【隊員の流儀】理数科・ICT・学校保健合同ワークショップ(WS)〜 師走編 Ⅰ 2017年度1次隊 〜 (19:07) - YouTube
【隊員の流儀】理数科・ICT・学校保健合同ワークショップ(WS)〜 師走編 Ⅰ 2017年度1次隊 〜 (19:07) - YouTube
今回のワークショップの趣旨・目的
私が参加したのは、ツアー全体のうちの1会場、6/11-12の2日間のみです。
会場:教員養成校(日本でいう大学の教育学部)
対象:教員養成校の生徒(卒業後、小中学校の先生になる人たち)
テーマ:手軽に作成した教材・教具を用いて生徒が体験して理解しやすい授業をしよう
ガーナの教育といえば、先生が教科書にある文章をそのまま読み上げ、そのまま黒板に書き、それを生徒がノートに写す。のが基本。(生徒は教科書を持っていません)
先生たちは、そもそも、教材や教具を使った指導法を知らず、指導法を学ぶ機会すらほぼ無いのが現状です。これは多くのアフリカ諸国?途上国?共通の問題だと思います。
そんな現状に対して、
・こんな教材を取り入れたらもっと効果的な授業ができますよ~
・こういう風に生徒中心の活動や実験をすれば生徒もよく理解できますよ~
といった内容を紹介して、将来学校の先生になったときに活用してもらおう!というのが今回のワークショップの趣旨であり目的です。
もちろん私の担当教科は ICT。パソコンの授業ですね。
ガーナでのICT教育の現状
ICT = Information and Communication Technology(情報通信技術)
ICTは小中学校での必須科目でありながら、学校にはパソコンが無い/あっても数台。
そんな環境で、例えば「クリック操作」について教えるとしたら?
日本なら、1人1台パソコンの前に座って、実際に操作をしながら学ぶ風景が想像できますよね。
しかしここはガーナ。
パソコン無し、黒板とノートだけで実際にどのような授業が行われているかというと、先生が黒板にマウスの絵を描いて「ここのボタンを1回押すのがクリック」と説明を加え、生徒はそれを一生懸命ノートに写しています。
その結果、生徒に「クリックって何?」と質問すると「マウスの左ボタンを1回押すことだよ」と即答で答えられる。にも関わらず、なのにですよ、「じゃあ実際このアイコンをクリックしてみて」とパソコンの前に座らせると、マウス操作が全くできないのです…!私たちからみると何とも不思議な光景が、ここでの現実です。
私が紹介した教材
さて。かくかくしかじかで、このワークショップに「講師として」参加することを決めた私。当日は教室の前に立って、30分程度の授業形式で教材や指導方法の紹介をします。
こちらが、今回私が紹介した教材「手作りマウス」です。
この教材の良いところは、材料がシンプル、そして作り方も簡単!
ガーナでは飲料水がこういったパック入りで売られています。
通称ピュアウォーター。このパックを再利用して作ります。
※ボトルウォーターよりはかなり品質が劣るので実際はピュアじゃないウォーター。
※ピュアウォーターについては詳しく記事を書こうと思っているのでそれはまた追々。。
材料は、パックと、中に詰めるもの(紙くずなど)と、セロテープがあればOK!
中に詰めるものは 布のはぎれ でもOK!
テーラーに行けばタダでたくさん入手できます。こちらはワークショップ前に会場近くのテーラーに行ってハギレを分けてもらっている様子。こどもたちが熱心に端切れをかき集めてくれたので、お礼にジュースをプレゼントしました。
当日の授業
作り方の説明をするために準備していった、おおきな模型。
(ガーナ隊にしか伝わりませんが、このビニール袋もピュアウォーターをまとめ買いするときのあの外袋を再利用)
まずは模型で作り方を説明 → 材料を配布 → 実際にひとりひとつマウス作ってもらいました
生徒「これならコードも付けた方が良いね」
わたし「No need, No problem. This is bluetooth mouse!!」
さいごに、出来上がった手作りマウスを使って、生徒同士で模擬授業をしてもらいました。写真は、先生役のひとが「マウスみんな持ってるよね~?では実際握ってみてください」と指示している場面。
この「生徒に模擬授業をさせる」というのも、当日になって別コマで同期がやっているのを見て、お、それいいね。と思って急遽取り入れました。私がつたない英語でドギマギ話し続けるよりも、生徒同士で話し合いさせるほうが盛り上がるし私も緊張がほぐれて良い。。笑
前述のとおり、ここの生徒たちは教員を目指しているだけあって「模擬授業やってみて」とふると、みんな進んで楽しそうに、そして上手に話します。人前で話すことが好きな人が多いです。
終わってみてこうして写真で振り返ってみると、我ながら「おぉ~それっぽい活動してるなぁ~」と実感するのですが(笑)、実は なかなか大変でした。というのも…
・任地の生徒 以外 に授業するのはこれが初めて
・任地での授業すら、まだ片手で十分収まる回数しか経験がない
・任地では多くても30人くらいしか相手にしたことがない、今回は多いと1クラス50人近い
↓
不安と緊張でいっぱい…!クラスコントロールできるのか…?!
かといって、それを払拭するほどの事前準備も ろくにせず。。(安定の惰性 笑)
迎えた当日、2日間で計4コマ授業をやりましたが、1コマ目は正直ちょっとグダグダな部分もあり。それでも回を重ねるごとに授業内容が良くなった実感がありました。何事も経験ですね。
いま思うと、任地の生徒と違って、ここの生徒はきちんと私の話を聞いてくれて、反応もわかりやすかったので、とーっても授業がやりやすかったです。笑
トピック選び
今回のトピック「手作りマウス」
こちら、実は、過去に先輩が発案されたものです。先人の知恵!
ワークショップ参加したい~!授業やるよ~!と軽はずみで返事したものの、私ひとりではこんな素晴らしいアイデアを生み出す力があるはずもなく、、、トピックどうしようどうしようと悩んでいたときに、ふと思いつきました。過去にも同形式のワークショップを開催している=過去に先輩が実施したトピックがあ~るじゃないか!と気づきました。さっそく先輩に相談し、資料を色々といただきました。感謝 感謝。。
正直に白状すると、なにも思い浮かばず万事休すなので、もう先輩のネタを丸パクリして楽しちゃおう~という下心でしたが(笑)、いただいた資料に目を通していると、ここはちょっと変えようかな?こうした方がいいかも?と自分なりのアイデアもちょこちょこと浮かんできて、、、結果として、少しアレンジを加えました。
こうしてアイデアをパクる「受け継がれていく」ことにより、だんだんブラッシュアップされていく部分もあるなぁ、と実感しました。隊員の活動はそれぞれ2年間しかないけど、代々繋がっていて、そのなかで培われていくものもあるなぁ、と。私ひとりでは大したことはできないけど、こうして微々たる力にはなれるかなぁ、と。隊員の活動に限らずですが、アイデアはどんどん共有したいし、過去のものを受け継いで未来に繋いでいくという繋がりも大切だなーと。(うーんなんかうまく言葉で表現できないですが)
なんだか、そういう気づきもあって、自分の活動を「伝える」ことも大切かな~と思ったこともあり、伝えようとしたら、こんなに長文になってしまいました。
またこういうワークショップがあったら参加したいな。
ガーナ隊のみなさん、私でよければ また誘ってくださいな。
さて、肝心の任地での授業(本職)は、というと、、、
いやあ、苦労しています。。(苦笑)
パソコンルームが新調されたり、ワークショップでの授業が手ごたえあってちょっと楽しめたりして、任地での授業も頑張ろう!とちょっぴりモチベーションが上がっていた直後の授業で、学級崩壊したり。。
I was supposed to teach another topic, but I can't continue because you're noisy. と、プロジェクターにそっと映して、授業のラスト15分を私投げ出して、生徒を放置したりしています。笑
私の英語が伝わらず、ひとりではクラスコントロールができない
→ だれか他の先生を連れ込んで現地語に訳してもらうなどのサポートが必要。
生徒がスクリーンに注目してくれない
→ 聞く時間と、パソコン触る時間を明確に分けた方がいいのかな…
今学期は相変わらず生徒の出席率が悪いし、かつ、学費を取りに実家に戻らされてさらに生徒数が減ったりもしています。
悩みのタネはつきないといいますか、これぐらいでは悩まない耐性がすっかりできてしまったといいますか。。結局は、ま、なんでもええわ~~~~と、良くも悪くもなんでも寛大に受け入れてしまう私ですが、私なりにちょっとずつ授業っぽこと、しています。しているつもりです。
授業前の休み時間に「魚のさばき方」動画をスクリーンに映したら、いままでみたことないぐらい全生徒が黙って真面目にスクリーンにかじりついたときの様子。授業もこうだったらいいのにな。笑
日本では生魚を食べるんだよ、というと、だいたいのガーナ人は信じられない!と言います。反応がおもしろくて私が日本の話をするときの鉄板ネタのひとつです。