ガーナ録

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活動の記録ブログ。人の為と書いて 偽。

523日目 : スポーツ大会の準備

 

来週は、年に1度のスポーツ大会!

 

'概ね' 毎年開催するという本大会。
昨年度は何かの理由があって中止になっていたので、私にとってはこれが最初で最後の大会になります。

 

同じアシャンティ州にある同系列校(ICCES)の合同イベントで、今回は計13校が参加。しかも4日間開催!その期間 他校の生徒や先生たちは泊まり込みになります。
けっこう大きなイベントです。

 


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そして、今回のホスト校は、我らが Nerebehi!

学校入り口にはバナーも掲げて、来週に向けて着々と準備が進められている最中です。

 

というか、

今週は1週間丸々すべての授業をスキップして、準備と練習に全力を注いでいました。

月曜日に学校に行ったら「え?今週授業ないの?」と驚きましたが、そういえば日本でも運動会前は練習やら何やらで授業なくてラッキー✌ぐらいの感覚だったことを思い出します。

 

 

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学校の近くにある廃墟。ここを他校の男子生徒の宿舎にするそうです。

この写真を撮った翌日に 床を磨き、草を刈り、生徒総出で大掃除。

 

 

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掃除に必要な水を、往復20回以上 運び続けている生徒たち。「授業してるほうがいいよ」と漏らす生徒もいました。笑

何回みても思うけど(奥のピンク色生徒にご注目)、水を運んでいるときすら両手をフリーにできる 頭乗せ運び は本当に便利だと思うし、体幹バランスすばらしい◎

 

 

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ちなみに、相当広くてなかなか造りもしっかりしているこの廃墟。

その昔ここは病院で、イギリスから支援も入っていて、心臓移植とかしてたんだよーって同僚たちが教えてくれました。こんな小さな町にそんな施設があったなんて… 驚き。(病院の廃墟に電気水無しで寝泊まり…)

 

 


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ホスト校なんだから優勝しかないでしょ!と、張り切って1か月前から毎日練習もしていました。毎日 早朝と放課後。

 

スポーツ大会の競技は3種目。

  • 陸上競技(短距離・長距離)
  • バレー
  • サッカー

 

私がバレーできることはみんな知っているので、練習にきてよ~と言われたまに顔を出してはいましたが、先生たちがケーン(ガーナではみんな知ってる'おしおきグッズ' いい感じにしなるので叩かれるとめっちゃ痛い枝または棒)をもって現地語で怒号飛ばし、何かアドバイスある?!とたまにふられても、私は何を言う勇気もなく、ただ見守るばかり。。

 

こういうときに ワ~!って一緒に混ざって盛り上げられたらいいんだけどねぇ。なかなかそういうことが下手くそな自分。授業もそうだけど活動を通して「先生とか向いてない」「人前に立ったり周りを巻き込むことが得意ではない」ということを痛感する場面が多々あります。ま、話がそれたので戻しますね。笑

 

 

ここ1か月 ほぼ毎日練習を続けきた生徒たち。

いよいよあと1週間!ラストスパートだ!という雰囲気になるのかと思ったら予想外の展開になっています。

 

 

今週に入って、なにやら見知らぬ生徒が練習に参加している、というか、先週まで練習していた我が生徒たちの姿が見えず、代わりにコートに立って練習している。?

彼女たちは近所の中学校の生徒とのこと。そしてなんとエントリーシートには彼女たちの名前も加えられている。

 

 

ん?

 

 

ある日の練習前に、同僚が彼女たちを集めてひとりずつ確認作業をしています。

名前は? → 〇〇です

デパートメントは? → △△です

  

もちろん△△は 架空の設定(職業訓練校の生徒であれば服飾/電気/建築などそれぞれ所属コースがある)、彼女たちがエントリーシートの記述=架空の設定どおりにきちんと答えられているか、を確認している様子。

 

 

え? え???

 

 

同僚に確認してみると、どうやらこうして校外から助っ人を呼び込むことは「当たり前」に行われているらしく、きっと他校も同じようにやっているだろう、でも中学校からの助っ人だって言わないでね?とのこと。彼女たちに関しても、きちんと中学校へ行って許可を取ってきているよ、って。きちんとするポイント。笑

 

 

せっかく1か月前から毎日練習してきたうちの生徒たちの努力と時間はどこへ行ってしまうの~~~~?!?!?!?!と叫びたくなりましたが、これはあくまで私の感覚。

 

架空の設定を確認しているあたり「本当はしてはいけない」ことだ、と当人たちも認識しているのだろうけれど、中学校側からも許可が下りているあたり、みんなにとっては当たり前でなんの不思議もないことなんだなーと、状況を受け入れてしまう 私。

 

 

感覚?価値観の違い?についてはこのポスターでも感じました。

 


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今回のスポーツ大会に向けておそらくどこかの外注が製作したポスター。

挿入されている過去の写真… 横伸びしている… 私が上司だったらこれを作った部下につきかえすなぁと。笑

 

実際、授業でも少し触れたことがあって。

Wordに挿入した画像のサイズを変更する際は、アスペクト比を崩さないように四隅のハンドルをドラッグしてください。真ん中にあるハンドルを使うと画像が横伸び/縦伸びして恰好悪いからやめましょう。っていう指示をしたことがあって。

でもこれが、まったく伝わらないんですよね~

みんな好き勝手写真をびよーんと伸ばす。これ見た目どう思う?かっこ悪くない?って何回聞いても反応イマイチ。私が伝えたいことが全然響いていないご様子。

 

 

でも、今回のポスターを見たときに、ある程度デザインを専門にしているであろう外注先に発注してもこうなるんだから、生徒に理解しろっていうほうが無茶なのか、そうなんだな、と変に納得してしまいました。

そもそも、もっといえば、ポスター全体のデザインに関しても、日本だったらお世辞にも「イケてる」とは言えない…?笑

 

 

でもこれで彼らがイケてると思っているなら、私は全然問題ないと思うのです。

 

 

彼らには彼らの価値観やルールがある。

違いがあって当たり前。

 

そこに対して「好き・嫌い」「合う・合わない」といった個人的な感覚はもちろんある。

でも、だからといって「間違っている」「こうした方がいい」とは、私はなかなか言えなくて。一歩踏み込んで意見を伝えたり、自分の考えに自信をもって伝えたりする勇気が私にはいつも足りなくて、飲み込んだ言葉は数え切れません。

 

 

そんな私がいつもたどり着く結論が

「ま、彼らがそれでいいなら、それでいい」なのです。

 

 

それが私のスタンス。

このままでいいのか、変えるべきなのか、変えたいのか、変えないといけないのか、わからないけれど。

 

少なくとも今はこれが私のスタンス ですね。

 

 

一方、この結論を突き詰めていくと「私ここにいる意味ある?」という疑問にも繋がっていくのですが、まあそれはまた別の話で。笑笑

 

 

スポーツ大会ひとつとっても、色んなことを考える機会になる。(色んなことを考えてしまえる時間がたくさんある。)

 

 

こちらは そんな日々です。